ことりと夫婦とぽこたろうと 〜不妊治療→妊娠→子育ての記録〜

さっぽろ在住、子供が欲しい夫婦の、試行錯誤やあれこれの結果、息子を授かった話。

宣告から手術まで

遡って、

流産宣告を受け病院から帰った、次の朝。

 

明け方、

泣いていることに気づいて目を覚まし、

夫にポツリポツリと気持ちを話しては涙を流し、

眠る前、横になればまた思い出されて嗚咽を漏らし。

週末でまだよかった。

とても仕事に行けるような精神状態ではありませんでした。

 

やっと、やっとここまで来られたのに。

なんでわたしが?

どうしてわたしだけこんな目に合わなきゃならない?

周りはみんな出来て産めて、流産した人なんていないじゃないか。

そんなことばっかり考えていました。

 

そんななかで

夫は、

わたしが泣き出すたびに何も言わずにただ隣に来て、背中を撫でていてくれました。

なにもする気力がなく家事を放り出したわたしに(ごめん…)文句も言わず、

黙って家事をこなして終われば寄り添ってくれました。

 

やさしいなあ。

この人が好きだなあ。

ああ、この人の子供が欲しいな。

しみじみ思いました。

 

今思うと、それまでのわたしの思いは

「子供が欲しい」→育ててみたい・子供がいるってどんな感じ?

みたいな、「興味」が強かったような気がします。

それが、今更だけどこのときから明確に

「夫との子供が欲しい」に変わった。

 

そのまま伝えました。

「かなしくてたまらない。

でもやっぱり、(夫)くんとの子供が欲しい。

まだ今は、かなしみにどっぷり浸らせて欲しい。

だけど必ず立ち直るから、少しだけ待っておくれ」

 

夫は

「うん。

術後をして、

ちゃんと体調をもどして、

そうしたらもう一度がんばってみようか」

 

 もうやめようとは言わなかった。

よし。

大丈夫、まだわたしはがんばれる。

思う存分泣いたら、もう一度仕切り直しだ。

 

そんなふうな若干前を向いた気持ちで、

手術に臨むことができました。