出産の記録② 陣痛室〜産まれるまで
なんだか、日々が溶けるように過ぎていくんですが。
わたしだけ時間の過ぎ方歪んでない…?
こないだ鬼太郎見たはずなのに、もう今日も鬼太郎やってるんですよ…おかしいよね…?
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つづき。
よろよろ妊婦、陣痛室へ移動。
朦朧とした意識の中で頭を占めるのは
ああ、いよいよなんだ
わたしは妊婦じゃなくなるんだ
ぽこたろうはお腹から出ちゃうんだ
さみしい
さみしい
とにかくさみしいという気持ちでした。
妊娠している間
体調辛い時期もあったけど
生物食べれなくて くそーと思ったこともあったけど
不安もいっぱいだったけど
とにかく 幸せで、
存在を感じるたびに愛しさでいっぱいになって
幸せで幸せでたまらなくて、
おわっちゃうんだな
会えるのは楽しみだけど
本当にわたしに育てられるのかな
ちゃんと大人にできるのかな
この期に及んでそんなことを考えていました。
まあそんなこと考えようが考えまいが
おセンチになろうがなるまいが
お産は進んでいくわけで。
陣痛室に滞在したのはほんのちょっと。
ここでも腰を押してくれていた夫とともに
👩🔬「分娩室いくよー!!」
移動です。
ここの産院は分娩台が二人分、
カーテンで仕切られたつくりというのは
前にも書いた気がしますが。
満月だからお産が混むのでは…誰かとバッティングするのではとドキドキしていましたが
幸いわたしだけ。
心置きなく暴言を吐けます。
分娩台に上がってしまえば
👩🔬「全開です!いきむよ!」
あっという間にここまで来ちゃった感!!
ここでわたし大いなる勘違いをしていたのですが、
子宮口さえ開けばあとは赤ちゃんの側のがんばりなんだと
なぜか勝手に思い込んでいたのです。
でもそうじゃないのね!
こっちからも押し出さなきゃいけないのね!
こんなに、頑張っても、出てこない!!
母が渾身の力を込めて押し出さなきゃならないなんて、知らなかったよ!!
レバーを握った手に力を込めて、
がんばる!
出ておいでー出ておいでー
女神発言、わたしはどんな暴言を吐くのか
自分でもちょっとたのしみにしていたのですが、
なんだかわたし 最中すごく頭が冷静で。
呼吸も、必死ではあるけど乱れない。吸う、吐くがしっかりできていて。
耐えきれなくて悲鳴をあげたのは2度。
それ以外は
🙋🏻♀️(あそこのハンガー…なんかすごいカラフルだな…)
🙋🏻♀️(外が明るくなってきた…朝だ…時間…時計はどこ…)
と違うことを考えることで気を紛らわせていましたら
👩🔬「我慢強いね…」
ほ ほめられ…た…?
そうしているうちに、助産師さんたちが宿直の先生の交代タイミングという話をしているのが聞こえてきました。
「もう先生呼ぶ?」
「もう少しでT先生の時間だね」
「交代間に合うかな、その前に産まれちゃうかなー」
T先生。
10年近く前からずっと診てもらってる先生。
先生が大好きで、
先生のとこで産みたくて戻ってきた。
だから、先生に取り上げて欲しい!
ぽこたろう、もうちょっとだけ待ってくれー!
👩🔬「小鳥田さん!T先生来たよ!」
👩⚕️「おーもうここまで来てたか、もうちょっと!がんばるよー!」
せんせいー!😭😭
あとはぽこたろうを出すだけ。
目を開いてお腹を見て、
ぐっと力を入れて、
ここで休んだら戻って行っちゃうから、
疲れたし苦しいけど
このまま押し出し続けてー!
ぽこたろう!がんばれ!出ておいでー!
どぅるるるん!
(て本当になったー!)
産まれました
大きな男の子
52㎝
3400g超え
元気に 産声をあげて
それを見届けて
しんどかったのと
ようやく出てきた疲れと
ちゃんと生きて産まれてきてくれた安堵と
先生に来てもらえたのと
夫がそばに居てくれたのと
いろんな気持ちが膨れ上がって
わたし分娩台の上で号泣。
半ば放心状態でかつひんひん泣きながら
ぽこたろうの処置が終わるのを待ったのでした。