ことりと夫婦とぽこたろうと 〜不妊治療→妊娠→子育ての記録〜

さっぽろ在住、子供が欲しい夫婦の、試行錯誤やあれこれの結果、息子を授かった話。

手術3日後

術後2日お休みをもらって仕事復帰。

体調的にはそこまで辛くなく出血も少量だったのですが、

気持ちのほうがまだちょっとついていかなくて休ませてもらいました。

仕事中に泣かれても困るだろうしな。笑

 

意を決して出社。

朝、更衣室で上司以外では一人だけ、

お子さんのいる方なので妊娠したことを話し

いろいろ相談させてもらっていた同僚さんに会い、

案の定泣き出す

よしよし、辛かったね、

上司には言っておくから落ち着いたらでておいで、

と置いてってもらう。

赤い目が落ち着くころ上司がやってきて

「これ、少しでも気持ちが落ち着く足しになればいいんだけど…」と

東京土産と、包装された、おそらく流産した人に向けた本をいただく。

ひーーーーん泣

みんなにはうまく言っておくからしばらく経ったらおいで、と言ってもらい

また少し泣かせてもらう。

 

その後、

副支社長に呼ばれ応接室で経過報告。

こんなやりづらい話題で時間をもらうのも申し訳なかったのですが、

「実はねえ」と

以前、奥様にも同じことがあった経験を話してくれました。

奥様は気持ちが塞いでしまって、一年ほど心療内科にも通っていたとか。

「結局立ち直るには、その後無事に産むまでかかった」とのことでした。

体も一週間はまともに動けなかったそうで

本当に大丈夫?しんどくないの?と体調の心配もしてもらって、

辛かったらなにも気にしないで休んでいいから、無理だけはしないで

と言ってくれました。

 

支社長にはいつの間にか妊娠したことが伝わっていて

(自分で言うのは時期を迷ったし、ぱらぱら休んでしまっていたので知れてても全然よいのですが)

ついこの間、

「聞いたよー体調はいいの?

絶対無理しないでね?」

なんて言ってもらったばっかりでこの結果となったわけだったのですが。

伝わってるからには、と挨拶に行くと

また応接に呼ばれ、

なんと支社長の奥様も同じ経験があると。

すごくプライベートな体験談を話してくれたり

異動前にいたところの部下の女性は

3回流産して、でも諦めないで

いま4回目の妊娠をしている、

と教えてくれたり。

ずいぶんと体調のこと気にしてくれてるな?とは思ったのですが

きっと辛い思いをしている奥様を側で見てきたからだったんでしょう。

 

めっちゃ励まされてる、

そして心配されてる、わたし。

卑屈になっているわけじゃないし

みんな心配してくれてるのはよくわかるけど、

同じ経験をした人からの励ましは

より沁みるというか。

 

そしてなにより、

ネットの情報で知ってはいたけど

現実として経験者は案外多いんだ、という事実が

わたしをようやく納得させてくれました。

たまたま、わたしの周りにはいなかっただけでね。

それを公表していない人ももちろんいるだろうし。

わたしだけ特別に不幸だったわけじゃない。

乗り越えた人はいっぱいいるんだ、

 

これで本当に、

不幸に浸るのはもうやめだ、と思えたのです。

がんばって復帰してよかったのかも。

 

周りの人には(話してもいいと思える人には)

突然3日も休んですみません、

実は手術をしてきた、

ということだけを話しました。

すごく驚いてとても心配してくれる人、

わたしがしんどそうだとやってたことを代わってくれる人、

「ここのお店に品物預けてあるから、帰りに受け取ってってね」といわれ、

寄ってみるとケーキが出てきて

チョコプレートには"大丈夫 大丈夫!"

なんてことをしてくれた人…

ありがたすぎて

それにまた泣けてくる。ほんと。

 

…もちろん、

みんながみんな好意的なわけではないですが。

嫌な思いしたことは、書かない!!笑

 

帰宅後、

いただいた本を夫と読みました。

 『ごめんね、ありがとう。』

ごめんね、ありがとう。 (?産まれることができなかった赤ちゃんから届いたメッセージ?

流産してしまった赤ちゃんが

どうして生まれてこられなかったのか、

それにはどんな意味があったのか

を絵本のように柔らかく語ったお話。

正直、わたしは

天使になったとか空に帰ったとか

そういう考え方はしていないのですが

それでもじんわりしたし

(それよりも自分のお金を使ってでも

わたしを励ますためのことをしてくれたという事実がとても心に染みた)、

夫は涙ぐんでました。

 

うれしいな。

またがんばろー。